距離を詰めすぎるとき

 
人との関係を築くとき、距離を縮めることは自然な流れの一つです。
教育や支援の現場でも、信頼や安心感を高めるために、近づくことは大切です。
しかし、距離が近づきすぎると、相手の領域に入り込みすぎてしまうことがあります。

この「詰めすぎた距離」は、一見すると親密さや関心の表れのように見えます。
けれども、関係の構造から見ると、相手の主体性や動く余白を奪い、かえって成長や自立を妨げる要因になります。

距離を詰めすぎた状態では、相手は安心感よりも圧迫感を感じやすくなります。
それは、支えられているというより、見張られているような感覚に近いものです。
そして、関わる側にとっても、相手の行動や結果に過剰に責任を感じ、疲弊してしまうことがあります。

この状況を変えるには、「どのくらい近づけばいいか」という感覚を感情や経験だけに頼らず、関係の構造から捉え直す視点が必要です。
 

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