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言葉が映し出す、自分の輪郭
私たちは日々、たくさんの感情や考えを心の中に抱えながら生きています。
しかしその多くは、はっきりとした言葉にできないまま、ぼんやりとしたまま心の奥に沈んでしまっていることが多いものです。
たとえば、なんとなく感じる違和感やモヤモヤ、理由のわからない不安や焦り。
こうした感覚は言葉にできないままだと、ただ漠然とした感情として心を曇らせ、私たち自身も何に悩んでいるのかが見えづらくなってしまいます。
でも、「言葉にする」ことで、そのぼんやりとした気持ちや思考に「かたち」が生まれます。
言葉を使って自分の内側にある感情や願いを表現するとき、私たちは心の中に輪郭線を描き出すのです。
この輪郭は、まるで霧の中にうっすらと浮かび上がる山の稜線のように、これまで漠然としていた自分の内面をはっきりと見せてくれます。
何が自分にとって大切なのか、どこに痛みを感じているのか、どんな価値観や願いが隠れているのか。
この「輪郭が見える」状態になることは、自分自身を深く理解し、納得して生きるための第一歩です。
言葉がもたらす「気づき」の力
言葉は単なるコミュニケーションの手段ではありません。
私たちの感情や思考を形づくり、整理し、明確にするツールでもあります。
例えば、「なんとなく嫌だな」という感覚をただ感じているだけでは、それが何に対しての反応なのか、なぜそう感じるのかがわかりません。
しかし「この仕事のこの部分が自分に合わない」「この人との関係で自分の意見が尊重されていない」と言葉にできると、その感覚が具体的な意味を持ち始めます。
言葉にすることで、自分の中にある曖昧な感情や考えを客観的に見つめ直せるようになり、心の整理が進みます。
これが、いわゆる「気づき」です。
「自分の輪郭」に気づくことの意味
では、この「自分の輪郭」とは何でしょうか?
それは「自分が何を大切にしているのか」「どんな生き方を望んでいるのか」という、目に見えない自分の価値観や軸のこと。
輪郭がはっきりすると、今までぼんやりとしたままだった「自分らしさ」が形になり、はっきりと認識できるようになります。
これにより、以下のような変化が起こります。
* 他人の期待や価値観に振り回されず、自分の気持ちや考えを尊重できるようになる。
* 過去の経験や感情の意味を理解し、感情的な反応の根っこを掘り下げられる。
* 将来の選択に迷いが減り、自分に合った道を選びやすくなる。
* 自分を取り巻く人間関係においても、無理をせず自然体でいられるようになる。
つまり、「自分の輪郭に気づく」ということは、自分の人生の舵を自分でしっかり握ることに他なりません。
コトノハコが大切にする「言葉にすること」の役割
コトノハコのメソッドでは、対話を通して問いかけをし、あなた自身が言葉を見つけていくことを何より重視しています。
なぜなら、他人から教えられた言葉ではなく、自分で見つけた言葉こそが、本当に自分を支える力になるからです。
また、どんな感情も「間違い」ではないこと、そして誰かの正解で決めつけないことも、あなたの言葉が持つ可能性を広げるための大切な前提です。
自分の心の中にある言葉を丁寧にすくい上げることで、あなたの中の輪郭が鮮明になり、あなた自身の「自分軸」が築かれていきます。
言葉は、自分を映し出す大切な鏡のようなもの。
それを通じて見えてくる「自分の輪郭」は、これからの人生を豊かにするための羅針盤になります。
ぜひ、焦らず、ゆっくり。
あなた自身の内側にある言葉に耳を傾けてみてください。
あなたの中にある声を言葉にしたとき、きっと新しい自分が見えてくるはずです。